++ 舞台写真 ++

1場 霞月

「閉ざされた闇に阻まれて、翼の行方を知る勇気さえ
 漆黒の帳に隠れている。」

  

2場 夜与の月

「汝に問う……それでも浅ましく生きようと願うか」
「それでも私は生きとうございました!」

  

3場 月の夢

「お前のそういうところついていけない!」
「ああ、同感だね!」

明日ばかりを見るレンと、昨日ばかりを見るセイ。
全く正反対の性格をした二人は、お互いの行動に苛立ちを隠せない。

しかし、セイとレンが見た夢は、そんな彼らの中に小さく謎めいて積もっていく。

♪「Quick and Slow」

4場 Luna Diamante

「さあ、来い!盗人ども!ルナディアマンテは死んでも渡さん!」

幻の宝石ルナ・ディアマンテが発見された!
ニュースを聞きつけた百戦錬磨の宝石泥棒2人 (桜華、梦月) と刑事 (葵) 。
美術館に展示されたルナ・ディアマンテを巡っての大騒動!

幻のダイヤモンドは、一体誰の手に!?

  

5場 ただこの想いを

「あふれるこの想いをただ君に伝えたい」

傍にいる。そんな当たり前のことに気付かずに、大切な人に言葉を忘れていませんか。
貴方が今の貴方であるために出逢ってきた全ての人たちと、これから出逢う全ての人たちに、惜しまず伝えてください。
そして自分自身へのエールを忘れないでください。
笑顔でいるために。
力強くいるために。
貴方を包む全てのものに、ただこの想いを伝えます。

♪「ただこの想いを」

6場 VAMPIRE 〜月の子〜

ACT.1
遥か昔……ヴァンパイアであるマリア (梦月) は、青年カルマ (桜華) を同胞とする。
永遠の時間を生きる彼女が手に入れたたった一つの真実。
しかし、人間に追われる日々を繰り返す二人に、安寧の時間はない。

  

そして遠くない未来の、ある街。
ストリートチャイルド・ルシス (葵) は、幼いながら過酷な日々をただ懸命に生きていた。
彼の元に、人間に追われて手負いになったマリアとカルマが飛び込んでくる。
マリアはカルマに逃げるように伝え、永遠の時間から解放されるように死んでいく。
悪しきは異質の生物か、追う人間の心か……ルシスは追っ手の心の闇に押されて、二人を守るために銃を向けた。

「あなたは生き延びなくちゃならないの」
「お前、俺たちが怖くないのか」

  

ACT.2
縄張り抗争に明け暮れる毎日。ルシスはたまにそんな日々の中で、カルマと出会ったあの日の事を思い出す。
カルマに出会い、初めて人を殺した日。
ルシスに出会い、マリアを失った日。
二人にとって、それはあらゆる 「はじまり」 の日だった。
やがていつか、ルシスも老いて死に行くことをひたひたと感じながら、カルマたちは日々を過ごしていく。

「なあ、人間は何故死ぬのかな……」
「カルマは何故ずっと生きているんだ?」

  

ある日、ルシスと対抗勢力の銃撃戦に巻き込まれた少女 (梦月) が、二人のアジトに迷いこむ。
そのマリアにそっくりの面影に、カルマは彼女に惹かれていく。
声の出ない少女に、月の女神ヒナの名前をつけたルシスは、惹かれあっていく二人に寂しさを感じながらも
束の間を平和な時間に思いをはせる。

「俺は何も変わらない」
「変わらないものなんてこの世にはないんだよ」

  

3人が過ごした平和な時間は長くは続かなかった。抗争勢力が再びルシスを狙って襲ってくる。
ルシスへの銃弾を身をもってかばったカルマ。
二人の前で倒れたはずのカルマはヴァンパイアの本能で眼を覚まし、襲い来た者たちを惨殺する。

「お前……もう血は飲まないって……!」
「俺は化け物だからこうやって生きるしかないんだ。さよならだ、ルシス」

 

進んでいく時間を生きていくルシスと、ともには生きられないと伝えるカルマ。
離れていくしかない運命をどうしようもない、とカルマは独り闇に消えていく。

「俺たちは一緒にいるべきじゃない。
 時が止まった俺と、今を生きるお前……」

 

ACT.3
大人になったルシス。カルマが消えてからもう何年もが経っていた。
病死したヒナとの間に生まれた子供キラ (梦月) を大切に慈しみながら、ルシスは消えたカルマを思う。
キラは父親であるルシスに、死の意味について問う。

必ず死ぬ日はくる。なぜなら、人は人であるがゆえに……。

ルシスはキラに、大人になるまで傍にいるよと約束をする。
その矢先、ルシスは襲ってきた無数の銃弾に倒れる……!

「カルマ……今お前、どこにいるんだよ。お前に会いたいよ」
「Make a pinky Promiss!」

  

銃弾に倒れ行くルシスの前に、静かにカルマが現れる。
ずっと傍で見守っていたと告げるカルマ。
楽しかったな、とルシスは静かに息を引き取った……。

「俺はずっとお前を見守っていた」
「相変わらず……意地悪だな……」

ACT.4
大人になったキラが旅立つ日。
ルシスが逝った日からずっと支えてきたカルマは彼女を見送る。
キラは、いつも優しい気持ちに包まれていた……と充実した笑顔で去っていき。

ヴァンパイアとなって彼女を見守っていたルシスは、そんな娘を満足気に見送った。

時を過ごしてきた二人は、夜明けの中に溶けて行くように消えていく……。

「夜明けがみたいな……」
「太陽の下を走りたいよ」

  

7場 朧月夜

二人の魂は、決して離れる事はない。
どんなに抗っても、どんなに恨んでも、どんなに望んでも。

そこに在ることが当然であるような同一性。
そこに在ることが違和であるような乖離性。

二人を繋ぐ糸は決して途切れる事がなく、永遠に引き合い、
やがて自己か他人かと錯覚さえするような眩暈に襲われる。

結束の絆……人は、或いはそれを運命と呼ぶ。

 

8場 昼の月 夜の月

螺旋のような迷いの中で、セイレーンは訴えかける。

人の営み。時間の流れ。真実と虚無。

全てはただある一つ存在に基づいて流れている事を。
そして、それに気付いて欲しい事を。

セイレーンの言葉をまだ見つけられないセイとレンは、ただがむしゃらに迷い続ける。

それが生きている証だというように。

足元に咲く花も、気付かなければ踏みにじるように二人が気付かない間に、彼女はやがて力尽きて果ててしまう。

「探すのは混沌の中。求めるのは人のぬくもり」

 

9場 幻想の死……そして復活へ

昨日を想うこと。
明日を見つめること。

そして、もう一つ大切なこと。

その存在こそが根底であることに、二人は漸く気付き始め
今までになかった 「いま」 へと昇華させてゆく。

「真実はいつも心にあるから
 月影に抱かれて時の彼方まで行こう」

 

10場 満月

空の色が変わり、時間が流れていく。
人も変わり、自分も変わっていく。

螺旋に続くその時間に、何も見失うことのないように、
変わる姿を見せながら月はそこに在る。

セイとレンが見つけた真実に、
貴方も気付くことができますか……?

それは、忙しい日々を生きるあなたのすぐ傍に、ただ静かに気付かれるのを待っているかもしれません。

移ろい行く月のように。
あなたの大切な人のように。

「飛べるかな」
「うん、きっと」